センター試験生物Ⅰの心得
もうすぐセンター試験ですね。そこで今回はセンター試験に挑む際の心得を1つ書いてみようと
思います。
これは2006年の本試第5問の図1です。もうこの時期ですから「あっ、これ知っている」と
いう学生さんも多いでしょう。
これを見たときどう思いましたか? 本番
でこの問題と出会ったら自分はどう感じて
いたでしょう?
「わあ、見たことがないグラフだ」→
「見かけの光合成速度とか光の強さとか温度
とか、特に蒸散速度なんてすごく複雑そう」
→「きっと難しい問題だ(>_<)」となるんじゃないでしょうか?
でもね
落ち着いて考えてみましょう。
まず一番厄介に見えるP/Tを考えてみよう。きちんと書いてみると・・・
見かけの光合成速度/(P)蒸散速度(T)
・・・という分数だね。
なので分母(T)が大きくなればP/Tは小さくなり、分子(P)が大きくなればP/Tは大きくなり
ますよね。
逆に
P/Tが大きくなったということは「Tが小さくなった」または「Pが大きくなった」という
ことだし、P/Tが小さくなったということは「Tが大きくなった」または「Pが小さくなった」
ということですよね。
では
P/Tが変化したのは「Tが変化したから」なのか、それとも「Pが変化したから」なのか?
だから
グラフ中にはTのグラフも載せてあるわけです。Tの変化がわかれば、P/Tが変化した理由
がわかるでしょ?
つまり
この問題は「見かけの光合成速度」とか「蒸散速度」とか生物学的なことを知らなくても、
小学校・中学校レベルの算数・数学ができれば解ける問題なのですよ。
センター試験は“うまい”の一言に尽きるなあと、毎年思うのです。一見難しそうに見せるのが
本当にうまい。
精神的な影響は侮れません。「これはきっと難しい問題だ」と思った瞬間にその問題は、実際には簡単だったとしても、本当に難しい問題に変わってしまうのです。だから逆に君たちは、知らない図・グラフの問題が出てもこのことを思い出してくださいね。ぜったいそんなに難しくはないのです。