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生物の勉強法(暗記のしかた その1) 「必要なものを暗記する」

生物の勉強法(その1~5)を読んでくださった方、ありがとうございます。さて、読んでみてどう感じたでしょうか? 「生物ってまずは暗記だなあ」と感じましたでしょうか? そうなんです。その通りです。そこで、これから何回かに分けて「暗記のしかた」について説明してきますね。

ではさっそく、次の例題を解いてみましょう。

この問題はセンター試験の過去問ですが、さて、これどうしましょうか? 知っていればいいのですが、知らなくて解けなかった人はどうしましょう。「ゾウリムシは150μmである」と暗記するのでしょうか? でも、そんなことをしていたらきりがありませんよね。だいたいこの地球上にゾウリムシが何匹いるか知りませんが、全部150μmなのでしょうか? そんなわけありませんよね。分裂したばかりのものはもっと小さいし、「250μm」と載っている文献を見たこともあります。それにゾウリムシには種類があって大きいものや小さいものもいます。つまり、「ゾウリムシは150μmである」と暗記してもそれは無駄なわけです。実はこの大堀、この問題を初めて見たときゾウリムシが150μmであることは知りませんでした。でも解けました。なぜなら「必要なこと」をちゃんと覚えていたからです。では、必要なことって何でしょう? まずは「μm」という単位(「マイクロメートル」とか「ミクロメートル」、または「ミクロン」と読みます。)。大堀は「1μm=1/1000mm」と知っていました。そしてもう1つ、「ゾウリムシは肉眼でかろうじて見える」ということも知っていました。つまり、この問題は選択肢から「肉眼でかろうじて見える大きさ」を探すだけの問題なのです。「①1500μm」は1.5mmですから肉眼で十分見えます。「③0.15μm」は0.015mmですから、これは肉眼では見えませんね。「ということは②が正解だな」…とわかってしまうのです。というわけで、ここで「必要なこと」、つまり暗記すべきことは次の2点、「ゾウリムシは肉眼でかろうじて見える」・「1μ」m=1/1000mm」です。

こんなふうに、何でもかんでも暗記すればいいといいものではなく、「必要なこと」を暗記していかなくてはならないのです。

解答:②

というわけで、今回はこのくらいにしておきましょう。次回は、暗記のしかた(その2)「少ない方を覚える」の予定です。

☆代ゼミの大堀の講義では「必要なこと」が自然に身に着くようにしていきます。受講予定の学生さん、楽しみにしていてくださいね♪

☆参考書「大堀先生 高校生物をわかりやすく教えてください(上巻・下巻)」でも「必要なこと」が身に着くように説明しています。ぜひ活用してください。