寄生 No.1
「おいおい、相利共生シリーズじゃなかったのか?」
と言われそうでそうですが、「寄生シリーズ」もスタートです。
他にも「片利共生」「擬態」などもやりますね。
ハイレベルやスタンダードの講義では、大学で研究していたのが
「生物農薬だ」という話をしました。
で、大堀が手がけたテーマがスジコナマダラメイガとコクガヤドリチビアメバチ
なのです。下の写真はコクガヤドリチビアメバチ。
スジコナマダラメイガは体長1cmくらいのガで、その幼虫は米ぬかなどに
たかるのですが、これに寄生するのがコクガヤドリチビアメバチです。
ということは、このコクガヤドリチビアメバチを大量飼育して放てば、
スジコナマダラメイガを退治できるではないか!!
でも、コクガヤドリチビアメバチを大量飼育するには、その宿主となる
スジコナマダラメイガも大量に必要となりますね。スジコナマダラメイガを
退治するのにスジコナマダラメイガを大量に飼育してりゃあ世話ないね。
そこで、人口培地を開発して、その培地でコクガヤドリチビアメバチを
大量飼育しようということになったわけです。
で、その培地の開発が大堀の研究テーマだったのですが、とりあえず人口培地で
飼育した幼虫を成虫にすることには成功したました。
で、その成虫、なかなか立派だったので「飛ぶかな?」とシャーレの蓋を開けた
ところ、ちゃんと飛んだわけです。「やった!!」
ところがそのまま飛んで行っちゃったわけです・・・
まわりの先生・先輩方は「わかったから」と信じてくれません。
それからあとは人口培地によって成虫になったものはいたにはいたんだけれど、
ちゃんと飛べないし触覚が折れ曲がってるし、なんか情けないのばっかりでした。
その情けないのが下の写真の左側のやつです。右側のは普通にガの幼虫に寄生して
成虫になったものです。
ちなみに、このハチはメスしか確認されておらず、オスは存在するのかしないのか
わかっていません(当時)。
またハチとは言っても刺しません。