冬期講習会 生物 センター試験が終わったら・・・
センター試験と国公立の2次試験や私立大学の問題はどの
ように違うのでしょうか?
その具体的な違いを、インスリンを例にして説明してみましょう。
インスリンは細胞表面に存在する受容体に結合することに
よって、その細胞のグルコース吸収を促進し、またその細胞が
肝臓・筋肉の細胞であれば吸収したグルコースをグリコーゲン
にして貯蔵するわけです。で、この部分がセンター試験で出題
されるとこんな感じなります。
問1:このことに関する説明として、次の①~④のうちから最も適当なものを1つ選べ。
① インスリンが分泌されると血糖値が低下し、それがすい臓に受容されてグルカゴンの分泌
が増加する。
② インスリンが分泌されると血糖値が低下し、それが脳下垂体に受容されてアドレナリンの
分泌が増加する。
③ インスリンが分泌されると血糖値が低下し、それが間脳視床下部に受容されてさらに
インスリンの分泌が増加する。
④ インスリンが分泌されると肝臓・筋肉内のグリコーゲンの貯蔵量が減少する。
一方、この部分が国公立二次・私大で出題されるとこんな感じになります。
問2 この事実から、糖尿病の原因について、考えられることを2つ書け。
問3 インスリンだけではなく、ホルモンはすべて細胞に存在する受容体に結合する
ことでその細胞に作用する。このことから、ホルモンと形が類似した物質が体外
から侵入してきた場合、どのようなことが起こると考えられるか。
さて、センター試験と国公立二次・私大の間の違いがわかったでしょうか?
センター試験(問1・答え①)では生物Ⅰの教科書に載っていることしか出題しないのです。つ
まり教科書をちゃんと読んでいればできるわけです。もちろん遺伝や実験考察問題は別ですよ。
一方の国公立二次・私大(問2・3)では、生物Ⅰ・Ⅱの教科書に載っていないことも聞かれる
わけです。
問2の解答:すい臓に異常があり、インスリンが分泌されない。受容体に異常があって
インスリンが存在しても血糖値が低下しない。
問3の解答:受容体に体外から侵入した物質が結合して、本来のホルモンが結合する
のを妨げたり、本来のホルモンと同じ作用を細胞に及ぼす。
どうでしたか?ちゃんと答えられましたか? 聞けば「ああ、そうか」ですよね。
つまり解答に”ひらめき(=勘)”が要求されるのです。たまたま知っていれば答えられる
でしょうけれど。では、”ひらめき力”をつけるにはどうすればよいのでしょう?
それは”知識”をつけることです。無からひらめきは生じないのです。
だから知識をつけなくちゃあいけないのです。
では、どんな知識をつければ”ひらめき力”がつくのでしょう。
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ていきますからね。
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